私設強襲部隊ペドフィリアズ
国家を隠れ蓑に暗躍する闇の部隊、その名はペドフィリアズ

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Basilard

「あいつかい?…ああ。知ってる。
「戦場には3つのエースがいる。強さを求める奴、戦況を読める奴、プライドに生きる奴。
「あいつは…そうだな。
「強さを求めるわけでもなく。
「戦況はおろか空気すら読めず。
「プライドなんかカケラもない。
「そう、あいつ…バゼラード。人呼んで“月読のバゼラード”!」

 ズズヴヴン。
 ブダペストΩは完全に沈黙した。
「よわっ。」
 当たり前だ。ただのオタクが傭兵にかなうわけないのである。「おっ、もしかしてこいつただのオタクじゃないんじゃね?」と期待させておいて裏切る。それがオタクなのである。次回に引っ張ったからと言って、強いとは限らない。それが人生。
 バゼラードはなんかやる気を削がれたので、帰ってクソして寝た。

 次の日、バゼラードは『傭兵協会』に行った。
「仕事はあるか?」
「ちょいと面倒なのがあるけど…」
「男に二言はない!その依頼受けるぜ。」

 バゼラードは森の中に作られた秘密研究所にやって来た。
 中に入ると、いかにも悪の博士っぽい奴がいた。バゼラードは剣を抜いて叫んだ。
「お前、悪の博士だろう!」
 悪の博士は振り返ってニヤリと笑う。
「いかにも。私を迫害した王宮の奴らに復讐する。それが私の生きがいです。」
 ガション。研究所の奥から格好いいロボットが!
「か、格好いい!鉄臭さを残しながらも、流線と直線から成るフォルム!そして、真っ赤に光る8つのカメラ・アイ!メイン腕とサブ腕、計4本の腕!飾りとは言わせない、機動力溢れる脚!……こんな格好ロボットをどうするつもりだ博士!」
「ロボットが出てこなければ、漫画など読む気がしない!ロボットアニメでなければ見ない!陳腐な人間同士の戦いなどクソ!とにかくロボット!ロボット!ロボットだ!」
「博士……そんなにロボットが好きなのか。」
「そうだ私はロボットが好きだ。とにかく、二次創作物にはロボットが必要だと考えている。ロボットの出てこない物語などクソ!とにかくロボットがぶつかり合う!これぞ男のロマン!」
「博士……ロボットものは難しいんだ。まずデザインが悪いと受けない。メカデザインが出来ない人間には厳しいんだ。さらに…」
「煩い煩い煩い!言い訳など聞きたくない!とにかくロボット!ロボットを出せ!……バゼラード君。どうだね?私の作った、この『ツヴォルフ・ツヴァイツェン』に乗って、ゲリベオン軍と戦う気はないかね?」
「なんだゲリべオン軍て。」
「元はべオン軍という奴らがいてだな…」
「ジオン軍のパクリじゃねーか!第一、ゲリベオンとか、下痢便みたいでやだ!博士、ロボットもの以外にも、面白い話はたくさんあるんだ!」
「うるせーばか!死ねー」
 ドカーン。ツヴォルフ・ツヴァイツェンは爆発した。
「なぜだー」
「博士。最後に勝つのはロボットじゃない…人間の性能だ!」
「ふふふ…まだだよバゼラード君。奥の手『レイヴン・ケーニヒ』がある!」
 真っ黒にカラーリングされた、これまた格好いいロボットが姿を現した。
「殺したれ!鴉の王、ケーニヒス・レイヴン!」
 ケーニヒス・レイヴンは、右腕の35mmバルカンを発射した。
 背中の羽根状のパーツが広がり、そこからレーザーが放たれる。
 さらに、左手のブレードを凪ぎ払い、地面に巨大な傷を刻み込んだ。
 バゼラードは避けるので精一杯だ。
「なんて武装だ…」
「ははははは!どうしたバゼラード!人間の性能とやらを見せてみろ!」
「くそっ。こう弾幕が厚くちゃ近付けない…!」
「ははははは!次回からこの物語のタイトルは、『フッケバイン・イェーガー』となるのだ!“凶鳥の狩人”という意味だ!格好いいだろ!お前の出番は終わ」
 ゴシッン、という鈍い音が響いた。
 35mmバルカンの空薬莢が、博士の頭部を直撃したのだ。
 博士はその場に崩れ落ちた。そして、二度と起き上がる事はなかった。
 ケーニヒス・レイヴンは機能を停止した。それと連動するように、研究所の全機能も停止した。
 任務達成。バゼラードは帰ってクソして寝た。

つづく



  1. 2009/03/20(金) 20:07:42|
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Basilard

「…え?ああ、アイツかい?知ってるとも。この界隈じゃあ、アイツの名を知らないヤツなんていないさ。
「凄腕の傭兵。対峙した者は、自分が切り刻まれる姿を想像しちまうっていう。
「全く、悪い冗談だぜ。剣一本でこの地獄を渡り歩いてるってんだからな。
「アイツの名かい?
「バゼラード。
「人呼んで“刹那のバゼラード”!」

 クォルス暦224年。

 ツフォルンエンペラス領は戦乱の直中に有った。血で血を洗う争いが続き、領民は疲弊し切っていた。
 領内、カサルナバスの街。
 銀髪、冷たい目、黒いマントに身を包んだ男が歩いていた。
 彼こそが凄腕傭兵バゼラードだった。
 バゼラードにチンピラが絡んだ。
「ヒヒヒ。金をよこせ。」
 バゼラードは剣を抜いた。
「うぎゃっ」
 チンピラはしんだ。
 バゼラードは、『傭兵協会』に行った。「いらっしゃい。いい仕事があるよ。」
 バゼラードは仕事を受けた。

 クライアントの家に行くと、家の中はフィギュアだらけだった。
「ブフォ!仕事を頼みたい。『ヴォーカロイド・モツ煮ミグ21』のフィギュアを買って来て欲しいブフォ!」
「…自分で行け!この怪人肉布団!」
「ブフォ!食べ過ぎで動けないブフォ!」「仕方ないな。報酬は用意しておけ。」
「ブフォ恩に着るブフォ!」

 バゼラードは、電脳都市バハラ・キアに行った。
 女装とフィギュアの専門店『ケツのあな』に入った。
 中から異臭がする!
(…C魔法が使われた痕跡がある。)
 ちなみにC魔法のCとはChemicalの略で、化学魔法の事を指す。化学魔法には主に、神経魔法《タブン、サリン、ソマン、粘性ソマン、G剤》、糜爛(びらん)魔法《精製マスタード、窒素マスタード、ルイサイト、ホスゲンオキシム》、血液魔法《青酸、塩化シアン》、窒息魔法《ホスゲン、ジホスゲン》に分類される。条約で禁止されている。
(ここには高位のソーサラーが居るようだな…)
 バゼラードは傭兵の勘に従って剣を抜いた!そして叫んだ!
「出てこい!アンドロ軍団の鉄クズどもめ!居るのはわかっているぞ!」
 中にいた“無色透明キモヲタク”(モンスターの一種)の中から、1人の青年が前に出た。
 青年はガリガリに痩せ、眼鏡を掛け、背中にリュックサックを背負っていた。
「フフフ…流石は凄腕傭兵バゼラード。私の正体をかくもアッサリと見破るとはな…」
「出たな…賞金首『雪国もやし』!」
「行くぞバゼラード!」
 雪国もやしは、背中のリュックサックから一本の剣を抜いた。
 いや、それは剣と呼ぶには余りにも拙過ぎた。
 それは正に、“ポスター”だった。
 バゼラードは言った。
「その『限定版・篠宮パルヒェッタ等身大ポスター』に命を賭けると言うのか?」
「フッ…」
「…覚悟は出来ているようだな。始めようか。」
「勘違いするなよバゼラード。戦いはもう始まっている。」
「何ッ!?」
「重要なのは始め方ではない。終わらせ方だッ!」
 雪国もやしの身体が宙に浮いた。
 空中で両膝を畳み込む。両手を前に出す。
「アッー!あの構えは…」
 そのままフワリと地面に降りる。
 その間実に3.0秒。

 勝負はついた。

 ―見事なまでの『土下座』だった。

「パルヒたんポスターで勘弁して下さい!」
「……。」
 バゼラードは、依頼の品『ヴォーカロイド・モツ煮ミグ21』のフィギュアを買って帰った。
 帰りの電車の中で、ニヤニヤしながら……。

 クライアントの家に戻った。
「約束の品だ。」
「ブフォオオオウ!感謝するブフォ!」
 パッケージを開封するクライアント。その手が……止まった。
「こ、これは…」
「……。」
「ミグたんでは……ない……」
 ドガン!
 クライアントは床を踏みしめた。
「これは……『淫乱系ぱんつロイド・玉椿スホーイSu-27』ではないか……!」
 ガシャアン!
 クライアントはチャブダイをひっくり返した。
「貴様ァ……任務失敗ですぞ……」
 烈火のクライアントなどどこ吹く風。バゼラードはハナクソをほじりながら答える。
「普段フィギュアなんか買わないからわかんねーよ。」
「わかんねーよでは無く!パッケージを見たまえパッケージを!これだけデカデカと書いてあるでしょうが!貴様の眼球はウズラの卵なんでスか!?」
「……せえよ。」
「はいィ!?」
 バゼラードは剣を抜いた。
バ「うるせえっつってんだよ!レジに女の子が立っていたんだよ!恥ずかしくて買えなかったんだよ!」
【らっせーらーらっせーら】
 ハイ!クライアントブヂ切れ。
ク「ハアァ!?今更レジに女の子とかウケるんですけどw……いいか若造〈ボーイ〉、フィギュアを買う時はな、例えレジに母ちゃんが居ようと、パッケージの表側を見えるようにカウンターに置く位の覚悟が必要なんだよ!」
【らっせーらーらっせーら】
バ「うはw恥ずかしいんでスけどwお前の存在が!フィギュアの何がいいの?人形のパンツなんか見て楽しいですか……?」
【らっせーらーらっせーら】
ク「黙れ小僧!フィギュアの良さが貴様にわかるか!お前にson〈“息子”の意〉を救えるか!」
【らっせーらーらっせーら】
バ「うるせえ肉厚獣!」
【らっせーらーらっせーら】
ク「黙れペドフィリア!」
【らっせーらっせーらっせーらっせー】
バ・ク「交渉決裂だ!」
【らっせーらっせーらっせーら!】

【ヴぃにょーん ヴぃにょーん】
W A R N I N G
〈警 告〉
A huge ENEMY is approaching fast.
〈巨大な敵が急速接近中〉
Contact your target and DESTROY!
〈接敵、撃滅せよ〉
ENEMY called『最醜肉塊化生命体・ブダペストΩ』
〈敵を~と呼称する〉
Are you ready?
〈おにいちゃん、じゅんびいい?〉
Let's ROCK!
〈おにいちゃん、だ~いすきっ☆〉

バゼラード「行くぞ!」
 バゼラードは、(ブラックラグーンのレヴィとロックは早くヤっちゃえばいいのに)と思いながら、眼前の敵に向かって行った。

つづく。



  1. 2009/03/09(月) 13:34:36|
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負け犬の言い訳

ぺけ「久し振りに呼び出されたワケですが。なんなの。死ぬの。」
KD「いやあ、ロボットものを文章にするって難しいですね。どうしても情報量が増えてしまって。1話あたりの文章量が凄い事に。更に更に、複数機体の戦闘ともなると、それぞれの場面を記述せねばならないので…」
ぺけ「言い訳の相手をする為だけに呼ばれたのね私は。」
KD「しかも設定資料を実家に置いてきてしまいまして。」
ぺけ「なぜそうなるの?フラッシュメモリに保存してたじゃない。コピーすればいいのに。データは消えないのよ。」
KD「コピーではなく“切り取り”をしてしまいまして。故にフラッシュメモリ内には残っていないのですよ。」
ぺけ「バカだよねえええ」
KD「すいませんすいません。今度実家帰ったら取ってきます。」
ぺけ「当然。…でも、資料なんか無くたって書けるのではなくて?」
KD「書けない事はないが…何分、件の設定資料の情報量というのが非常に有益でね。モチベーションにも繋がる程なんだ。」
ぺけ「つまり、資料がない限り書く気はないと?」
KD「折角、立派な設定資料があるのだから、それを活かそうと思うのは自然だろう?記憶に辿って書いても、モチベーションの維持が難しくて。」
ぺけ「端切に言えば、しばらく待って欲しいってワケね。」
KD「そうなる。代わりと言っちゃなんだが、レッツゲットセットリバイブを書くよ。」
ぺけ「これは何?単にバトルものがやりたいだけ?」
KD「中二病だろ?」
ぺけ「成る程、作者自体が中二病ってワケね…」
KD「駄目なんだ。小説を書くには、心の余裕が必要でね。仕事モードの脳髄状態じゃ、ちっともイメージが広がりゃしない。」
ぺけ「単に面倒臭がりなだけでしょう。」
KD「否、やはり“こだわり”というものがあってね。推敲してみると、全然駄目だと思う。そしてアップロードを躊躇うんだ。2話も、途中までは出来ているんだがね。」
ぺけ「全く…言い訳を文章にさせたら一級品だと思うわ。はっきり言って不名誉と知りなさい?」
KD「名誉など、生に意味を見いだせない人間が作り上げた虚構だろう?そんなものは“おまけ”に過ぎないさ。」
ぺけ「それでも人間は名誉に縋るのよ?滑稽でしょう?」
KD「話がずれたな。…兎に角、下手をすれば次の展開は1カ月、その程度先になるかも知れない。長期戦は覚悟して貰いたいね。」
ぺけ「あら。何様かしら。さも『私の小説は期待に値する』とでも暗に言っている様ね?」
KD「そうでもないさ。気長に待って欲しいと言いたいだけでね。含みなど有りはしない。受け取り方の問題さ。」
ぺけ「どうかしらね。また途中で投げ出すような事にならなければいいけど?」
KD「今度こそは、と思っているよ。」
ぺけ「今度こそは、何て言って、同じ過ちを繰り返すのが人間じゃなくて?」
KD「ハン。そもそも、人間の歴史なんてものは、単に過ちを連ねた記録に過ぎないよ。昔から何一つ学んじゃいないのさ。間違いだけを延々と纏めたノート。それが歴史って奴なんだ。」
ぺけ「ニヒリストなのね。…まあいいわ。システム稼働の準備はOK。モジュールの励起も順調よ。」
KD「まさか因果律まで干渉するとはな。FUNERALの連中も余程血眼と見える。“シュレーディンガーワイアー”因果断絶の準備は整ったって寸法だ。」
ぺけ「本営の指示には、何一つ正解なんて有りはしないのだけれど。“プロメテウスの炎”発動は近いわ。」
KD「まさか“エルドリッジ”の二の舞にはなるまい?合衆国を敵に回す事になるぞ。」
ぺけ「さあ、ね?BEASTの計算じゃあ、未来予知だって不可能ではなくってよ。」
KD「“神体”大皇桜か…この国はまだあんなものに頼っているんだな。」
ぺけ「え?」
KD「何でもない。それより、“ゆりかもめ”地下階層に到着だ。鬼が出るか蛇が出るか、だな。」
ぺけ「少なくとも蛇は御免ね。私は蛇が苦手なの。」

つづく?



  1. 2009/03/02(月) 00:39:57|
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レッツ・ゲットセット・リバイブ

第弐話『残念ながら無かった事に』

 あたしの名前は鷺原美乃《サギハラミノ》。16歳。女子高校生ってタイクツだよね。そう思わない?
 タイクツ過ぎて死にたい。
 嘘。
 あたしにはすごい“チカラ”がある。何でも書き換えられる。何でも“有る事”にできるし、“無かった事”にできる。
 ぶっちゃけ、最強なんだよね。
 でもタイクツなんだ。最強だから?ま。トップを走る人は孤独だって言うし。
 ま。いーんだけどね。
 あたしは電車に乗った。
 そしたら、なんか冴えないリーマンみたいな人がジロジロ見てくるワケ。キモッ。ちょっと不愉快。
 チカラを使ってやる。
 貴方の存在、無かった事にしてあげる。

 丸木戸は瞬時に“境界線”を引いた。
 車内を切り取り、フィールドを形成。丸木戸と鷺原の2人は、他者からの絶対客観空間に存在した。
「へ~…おじさんも“チカラ”を持ってるんだ。」
「そうですよ。そして、私の仕事は、」
 丸木戸は不敵に微笑み。
「あなたのようなイレギュラーを抹消登録する事です。」
 鷺原美乃、大爆笑。
「あはははは!チョーウケるんですけど!殺れるもんなら殺ってみなよ!」

You contacted IRREGULAR, Just now.

さぎはらみの
鷺原  美乃
MINO SAGIHARA
【確率干渉】
『R.A.M.』

其の闘いに於いては
【逃走】と【引き分け】は
存 在 し な い
勝利者は生き
敗北者は死ぬ
実に単純明快にして
闘いのアーキタイプ
されど勝利者は敗北者に尊厳を
死者に弔いを忘れず

言い替えれば其れは
《Funeral》
葬 儀 で あ っ た

FUNERAL is start.

Let's get set SURVIVE.

 場の流れが歪み。丸木戸の確率が変化。間一髪。紙一重。変化の振幅を振り切りかわす。
 丸木戸の右腕が無かった事に。
「あははははッ!腕。無くなったね!」
 出血など無く。有る訳も無く。其れは切断では無く。消滅?否。無かった事に。当初から丸木戸に右腕など無かったので。
「腕だけ?どんだけ?かわすのもギリギリ。今度こそ全身くまなく。跡形無く、『無かった事に』!」
 確率が歪む。人為的に確率に干渉すると、何かが焦げ付いた匂いが発生するという事を、丸木戸は知った。
 そして彼は陥る。
 確率0の領域に捕らわれた。
 丸木戸など、いなかった事に。
「最早貴方に、“さよなら”も意味がないよね。」
 なる訳が無く。
「ほう。面白い力だが。神である僕に敵う訳がないよな。勝とうなんて、浅はか過ぎる。」
「!?」
「中二病人が力を得。思うがままに振る舞い。」
 鷺原の周囲の確率が…
「確率が…何?な、な、なに。なに?なんなの!?」
「そんな事が“流れ”として許される筈が無い。」

【確率絶対零℃】

「い、いや。たたしが、た、たし、消える、きえ、き、ききき、消…」

 !

 〇〇〇〇と言う存在は、未来永劫、どれほど過去に遡っても、見つける事はできなくなった。

 丸木戸は電車に乗っていた。
 何事もない、平和な日であった。
 ただ、丸木戸だけが、可哀相な少女の事だけを覚えているだけだっただけ。

》続くだけ《



  1. 2009/03/01(日) 17:41:05|
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МирВойна

PRESENTED_BY_SCARECROW

 照りつける太陽。
 青空の下に広がる砂漠。
 砂の海上に、荒涼と続く岩山の間を、数両の装甲トレーラーが砂塵を巻き上げながら駆け抜けて往く。

惑星・アーハ
地球に近似した環境を持つ星

 車列の鼻先で爆炎が上がる。
 急停止するトレーラー群。

A.D.975
【大壊滅】から、約1000年後

 岩山の陰から、数機の鉄の巨人が姿を現す。手には、鈍色に光る機関銃を携えて。
 鉄の巨人の名は【AWV】。

Armord_Walking_Vehicle
AWV=戦闘歩行車両

 AWVは車列をあっという間に包囲。
 下品な濁声が響く。
「よォし!ここを通りたけりゃトレーラーごと置いていきなッ!さもなくばア…」
 声の主、隊長機と思わしきAWVは機関銃の銃口をトレーラーに向ける。

…或いは、それは無限に存在する
世界の可能性の姿の一つ

 銃声。
 AWVは数発の機関銃弾を浴びた。
 装甲が小気味良い音を立てながら貫かれ、機体が膝を付き、停止する。
 他の機体は、突然の出来事にまるで対応できない。慌てふためき、カメラ・アイで辺りを捜索する。
 銃声。
 また一機が崩れ落ちる。
 不意に、別の一機が一点を捉える。
 他の機もそれに倣い、岩の転がる地平のある一点に指向する。

МирВойна
Sec.1『フェオファーン』

 そこには漆黒のAWVがいた。
 流線と鋭角から成るフォルム。無駄なく洗練された“兵器としての”美しさ。言うなればそれは、狩猟動物のしなやかさと、戦闘機械の武骨さを併せ持っていた。
 それに対峙するAWVの一群は一瞬、自らの“敵”の存在感に気圧され、躊躇する。
 その隙を見逃さなかった。
 “漆黒”は機関銃を撃ちながら距離を詰める。その弾丸は、まるで魔術か何かだろうか?間抜けに棒立つAWVの体に、吸い込まれるように命中する。弾丸を食らった機体は、為す術もなく崩れ落ちる。
 AWVの一群が、ようやく応戦を開始した。が、遅すぎた。その時、既に彼等は残存僅か2機になっていた。
 漆黒は、その眼前に1機を捉え、右手を鋭く“抜き手”の形にし、混乱に支配された哀れな獲物の腹部を食い破った。
 最後の1機。恐慌状態となり、漆黒に向かって発砲する。が、漆黒は素早く右手を抜き出すと、ひらりと弾丸をかわした。崩れ落ちていく獲物に、流れ弾が当たっていった。
 次の瞬間、最後の1機は“敵”の姿を見失った。
 それが彼の最期にして最大の失敗だった。
 漆黒の抜き手、それは最早短槍のような鋭さを持ってして、目標の腹部を貫いた。
 バラバラと、機械部品が飛び散る中、漆黒はゆっくりと右手を引き抜く。前のめりに倒れる最後の敵から視線を外し、残存兵力の確認をする。
 …残存はゼロ。全滅である。
 漆黒は、たった一機で、8機のAWVを葬ったのだった。
 周辺から、トレーラーに注意を移す。
 トレーラーの1両の後部ドアが開き、野戦服姿の人影が降り立った。
 険しい表情の、中年の男性。短く刈り込まれ、整った銀髪。中肉中背の身体は、野戦服の上からでも、筋肉質である事がわかる。そして何より、彼の特徴は、右頬の傷跡にあった。
 彼は、一言で言うなら、『筋金入りの軍人』という言葉で表せるだろう。
 傷顔の中年男性は、まず、薙ぎ倒されたAWV群を見、続いて、漆黒の機体を見上げた。
 その顔に、“懐かしさ”の微笑が浮かんだ。

》戦闘終了
》輸送隊ハ任務続行
》護衛機ハ引キ続キ護衛任務続行

 空は、少しずつ夕焼けに染まり始めていた。
 砂漠の駐屯地。
 装甲トレーラーから積み荷が卸下されている。それは木箱であったり、金属のケースであったりと様々だ。
 その様子を横目に歩く者があった。
 それは、何処か掴み所のない、それでいて、憎めない雰囲気を持った男性だ。
 銀髪。浅黒い肌。長身、引き締まった身体に野戦服を着用。少し疲れたような表情であるものの、その目からは、“意思の強さ”が感じられる。但し、その目は、片目のみ。もう一方の目は、黒い眼帯に覆われ、その中の瞳を伺い知る事はできない。
 彼の歩みの先には、傷顔の中年男性の背中があった。
 中年男性が気配に気付き、振り返る。その顔に再び、微笑が浮かぶ。
「…フェオ。久し振りだな。元気そうで何よりだ。」
 フェオと呼ばれた眼帯の男性。

【山田・フェオファーン・ローゼンブルグ】

 フェオは気だるそうに軽く右手を挙げる。彼の顔にも“ふにゃっとした”微笑が浮かんでいた。
「…大佐も相変わらずで。まさか、本部の言う“大事な積み荷”が貴方だったとはね。」
 ははは、と笑う中年男性。フェオに大佐と呼ばれた彼。

【アルフレート・グナイゼナウ】

 2人は互いに歩み寄り、握手を交わした。
「相変わらず、は君にも言える事だな。“銀狐”と呼ばれた腕は衰えていないようだ。傭兵にしておくには勿体無い。」
「…買い被りです。今も昔も、俺が生き残っているのは…あいつのお陰ですよ。」
 フェオがちらりと視線を送った先には、オレンジ色の空をバックに跪く、漆黒の機体の姿があった。
 アルフレートもフェオの視線を追い、漆黒の機体を見た。
「…【ミーレンオルヴン】か。…いや、整備の難しい“特注機”を大破させる事なく乗りこなしてきたのは、紛れもなく君の腕だろう。」
 フェオはぼんやりとした表情のまま、暫く黙っていたが。
「いや…」
 と呟くと、アルフレートに向き直った。
「…で、わざわざこんな所まで貴方が来た理由を聞きたいんですが。」
 アルフレートは真剣な面持ちになる。そして、フェオの顔を真っ直ぐ見つめ、言った。
「単刀直入に言う。私と一緒に、【ザゴビア】に来てくれ。」
 フェオは一瞬驚きの表情になり、それから元の顔付きに戻っていった。
「…どういう事です?」
 アルフレートは、重々しく、低い声で語り出す。
「東西ザゴビアの紛争は日に日に激しくなっている。両軍は拮抗したまま、国境線の上書き合戦を続けている。それに加えて、国内での破壊活動も活発化してきてな。西がやれば東が報復する…完全な泥沼状態だ。今まではな。」
 フェオは黙ったまま聞いていた。アルフレートが続ける。
「そんな状況に、“決定打”として投入されたのは、“新型兵器”だ。上層部に“平和的解決”という考えはないらしい。…その新型兵器だが、実戦投入と、調整試験を兼ねて、AWV部隊に配備される事になったのだ。…部隊長は、私だ。」
 フェオは静かに歩み出し、少しして立ち止まった。
「…フェオ。その隊で、小隊の指揮を、君に任せたい。君の、先の【ザゴビア内戦】での働きは私が十分承知している。君になら出来る。」
 フェオはぼんやりと、真っ赤に染まった空を見つめながら呟く。
「俺は祖国を見捨てたんです…」
 アルフレートは静かに言葉を返す。
「…だが、祖国は君を必要としている。いや…少なくとも、私はまだ祖国を見捨てるつもりはない…私自身が、君の力を借りたい。」
 風が、フェオの髪を揺らす。
 沈黙が、夕焼けの砂漠に吹き渡っていった。
 それはフェオやアルフレートにとっては長い時間であったし、また短い時間でもあった。
 やがて、フェオがゆっくりと口を開いた。
「……。分かりました。行きましょう。」
 アルフレートの顔に、安堵の色が見えた。
「そうか。…感謝するよフェオ。有難う。」
 フェオは何も答えず、照れたような微笑みを返した。
 そして、跪く漆黒の機体・ミーレンオルヴンを見た。
 夕陽に佇む“彼”は、主の次なる命を物言わず待ち続ける、一振りの剣のようであった。

To be continued.



  1. 2009/02/23(月) 19:14:23|
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