…そうなんだよな。
弱いから、強さが眩しいんだ。
暗闇の中にいる者が光を求めるように、
弱いからこそ、強さを求める。
暗闇の中にいるからこそ、光が欲しくなる。
俺は強くなりたいんだ。
それは何故だ?
俺は強くなって何がしたいんだろうか?
いや違う。俺にとって、強くなること自体が目的なのだ。
それからのことなんてどうでもいい。
何故、強くなりたいと願うのか?
…俺が空っぽだから?
小さい頃の俺は、漫画で見た英雄達に憧れた。
彼らは、何度倒れても立ち上がり、最後には勝利する。或いは、常勝無敗の絶対的な力を持っている。
そんな生き様に憧れた。
俺は彼らのような英雄になりたかった。
だから、彼らを真似した。
喋り方や、身のこなし、癖、服装、趣味、果てには性格さえも彼らに近づけようとした。
その結果、俺は自分がわからなくなった。
俺は何処にいるんだろうか?
漫画に出てきた英雄の真似をしている俺の本体とは、果たしてどんな人間なのか?
それは結局、他人の影に怯えて生きている弱い男だった。
英雄の化けの皮を被っているだけの道化だった。
しかし、もう、化けの皮も役に立たなくなってきた。
そりゃそうだ。だってそれは漫画の登場人物だもんな。
人生は漫画じゃないし、俺は漫画の登場人物じゃない。
化けの皮が剥がれたら、そこには弱い男しか残らない。
それは嫌だ。
…だから、どうして強くなりたいんだ!?
弱さに浸かっているのは嫌だ、と思うのは何故だ!?
ぬるま湯に浸かって生きるのも有りかもしれない。
そうやって生きている人間だって、この世界には何万何億といるはずだ。
それでも、ぬるま湯が嫌で…何千何億と同じなのが嫌で…
…自分は特別だと思い込みたいから?
弱者の中に際立つ強者の姿に憧れるから?
オリジナルでありたいから?
まだ俺は子供なのかもしれない。
だから、自分が特別だと思い込んでいる。
他の人達と同じだっていうことを認めたくないだけだ。
選民思想にとり憑かれているのか。
わたしは、特別な存在でありたい。
そんな私に父がくれたのは、ウェルダースオリジナル。
そして私が息子にあげるのも、また、もちろんウェルダース。
何故なら、彼もまた、特別な存在だからです。
…結局ボケで終わった。何が言いたいんだよ俺は!?
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