私設強襲部隊ペドフィリアズ
国家を隠れ蓑に暗躍する闇の部隊、その名はペドフィリアズ

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レッツ・ゲットセット・リバイブ

第参話『ピチ2チャプ2ラン3』

 丸木戸は街を歩いていた。
(世界は一点に向かって落下している。その落下のエネルギーが、物質にエントロピーの増大を与え、従って物質は常に崩壊へと近付いているのだ。)
 そんな事を考えながらだ。
 彼の目は往来を行き交う人々をぼんやりと捉えていたが、ふと、“異常な存在”が紛れている事に気付いた。

 それは女性であったが、濡れていない。
 いや、それは語弊がある。

 朝から雨が降り続いている。人々は傘を差して歩いている。
 だが、“彼女”は、傘を差していない。
 だのに、彼女の髪、顔、服、全身が全く濡れていないのである。
 建物の中から出たばかり、という訳ではない。彼女は、当たり前の顔をして、往来の人混みの中を、ごく普通の歩調で歩いていた。現在の雨の勢い、彼女の歩調、5秒も経たずに全身が濡れてしまう筈だ。
 “普通”ならば。
 ―O.O.S.アウトオブスタンダード。異常者。イレギュラー。“ちから”を持った中二病患者。
 丸木戸は彼女に歩み寄って行く。
 2人の間は、距離にして10メートル。
 女性が丸木戸を見た。
 ほんの瞬き程。
 2人は絶対客観空間へとシフトした。

 女性が気怠そうに口を開く。
「…あら、O.O.S.狩りに奔走する神様が、私如きに何の御用かしら…」
 丸木戸は、彼の特徴と言える、無表情な顔を浮かべながら。
「…念の為、失礼ですが、貴女、イレギュラーですね。」
 女性はクスリと微笑み。
「…ええ。そうですが、何か?」
 丸木戸の目に、奪命に無感動な―屠殺者の―光が灯った。
「私の仕事は貴女のような存在を消し去る事です。私の力を以て、貴女が消えて頂けると嬉しい。」
「…存じ上げております。ですが…」
 …ざああああっ!
 突然、雨が酷くなった。
「…私は、こんな所で消え去るつもりはありません。」
 無風故に、地面に垂直に叩き付けられる雨が、狂ったように勢いを増す。
「私の名前は後白河律子。雨は私の力。この世の不浄を洗い流す。それが私の使命。」
 丸木戸は、ふっと短く溜め息をつくと、やれやれと云った表情を浮かべた。
「…当に中二病の思考だ。」
 ざああああ…
 地面はもう浅い川と化していた。
 女性は、足元を流れる水を見つめ。
「…使命によって、神を洗い流す事が、私に課せられた唯一絶対の…成すべき事ッ!」

You contacted IRREGULAR, Just now.

ごしらかわ りつこ
後 白 河 律 子
RITSUKO GoSHIRAKAWA
【濡レヌ女】
『Un-wet Lady』

其の闘いに於いては
【逃走】と【引き分け】は
存 在 し な い
勝利者は生き
敗北者は死ぬ
実に単純明快にして
闘いのアーキタイプ
されど勝利者は敗北者に尊厳を
死者に弔いを忘れず

言い替えれば其れは
《Funeral》
葬 儀 で あ る

FUNERAL is start.

Let's get set SURVIVE.

 丸木戸の視界が赤くなる。
 雨粒が血に変わったからだ。
「聖なる血は浄化の証。神すら浄化する神聖なる水の裁きを受けるが良いわ!」
 丸木戸の全身から力が抜けていく。
 圧倒的な脱力感。
 血の雨による影響である事は言うまでもない。
 丸木戸は立っている事が出来ない。
 ガクリと膝をつく。
「…なる…ほど…生きる力を…奪う…のか…」
「神なんて、もう特別でも何でもないのよ。貴方はここで朽ち果てる。」
 丸木戸の体からは、加速度的に活力が失われていく。
 まるで糸が切れた操り人形の如く、丸木戸はその場にうつ伏せに倒れた。
(顔が…冷たい…な。)
 雨は降り注ぐ…容赦なく。雨に容赦といった概念があるとすればだが。

 倒れた男。その背に降る雨。
 冷たく見つめる女。

「…そこから這い上がる力なんてないでしょう。あなたはそのまま、時の水流に流されてしまえば良い。そして貴方の存在は、絶対客観空間に呑まれて消えるのよ。」
 まずい。
 一枚一枚布が被せられていくように、丸木戸の思考は薄れていく。
 …何も考えられなくなる…
「………」
「さようなら。神様さようなら。」
 丸木戸は命を失った。

 …油断したのか?
 神である私が負ける筈がないと?

 ―否。
 …負け惜しみか?

 ―いいえ。
 その“否”は完全な“否”。
 1ナノメートルの隙間すらない、事実としての“否”。

 空間が変質した。
〈…ははは。全く悪い冗談だ。〉
「!?」
 神の顔には、悪魔の笑み。
〈神は何が何でも死なないのだよ。〉
 ここに来て、初めて律子の体が濡れ始めた。
「な!?…何故!?」
 逆に、丸木戸の体は乾いていた。
〈勝てると思ったか?〉
〈神が倒れると思ったか?〉
〈私/我々は断言する。如何なる事があろうとも、神たる丸木戸誠は死ぬ事が無いと〉
 それまでの状態が嘘かのように、律子の全身はもうびしょびしょに濡れていた。
「そんな……悔しい……」
〈くやしいか〉
〈かみに まけるのが くやしいのか〉
 律子は膝をつく。かつて神がそうしたように。
「……こんなのは……狡い……」
 ざああああ…

〈ほろぼすのも〉
〈みずから ほろびを えらぶのも〉
〈どちらも たのしい あそびだとしたら〉
〈ほろぼすほうを えらんだとて〉
〈どうして それが〉

 …罪悪かしら?

 ざああああっ………。

 ―雨が止んだ。
 雲が晴れ、合間から太陽の光が差し込み、雨上がりの爽やかな空気が辺りを満たし始めた。

 律子の体は冷たくなっていた。
 もう二度と、人の温もりが戻る事はない。もう二度と、人として想い、語り、振る舞う事はない。
 彼女は生きながらにして死んだ。
 丸木戸は、傘を彼女の体に掛けた。

 青空の下、傘を差して跪く女。

「よく、似合っている。」
 丸木戸は静かに、〈境界線〉を越えた。
 絶対客観空間は収束し、律子共々、人の知覚の及ばない場所へと、光の速度を保って消え去った。
 人混みの往来は変わらず在った。
 丸木戸は街路の向こうへゆっくりと歩み去った。
 その後に残された、青い傘が、道端に。

》つづく《

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  1. 2009/03/22(日) 15:48:39|
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Basilard

『傭兵』―
 この世界に於いて其れは、単に、武力に依って戦いに寄与する存在では無く、所謂“破壊活動”以外の任務も請け負う。分かり易く言うなれば、“何でも屋”と呼ぶ事が出来る。
 彼/彼女達が『傭兵』と呼ばれる由縁は、一般人に比べて、“身を守る力”に優れている事。其れは直接的(武技・戦技・法術等)なものから間接的(知能・感覚・知識等)なものまで、“身を守る”事に活用可能な事柄全般を総合してそう呼ぶ。
 故に『傭兵』は単なる戦力としてだけでなく、様々な状況に投入される。

『傭兵協会』
 傭兵達の属する組織。主にクライアントとの交渉を経て獲得した任務を、傭兵達に割り振る役目を担う。
 その資金源は、クライアントとの契約金の一部であり、残りは傭兵への報酬となる。
 基本的に、傭兵は皆、この協会に所属する事になっており、逆に言えば、協会に属さない者は、傭兵ではないという事になる。
 先述の報酬支払いの面での問題(悪く言えば、協会によるピンハネ)への不満から、協会を脱し、自らコネクションを築いて任務をこなす者も存在するが、そう言った者は、性質こそ傭兵の其れであるが、『賞金稼ぎ(バウンティハンター)』と呼ばれ、傭兵とは区別される。

 傭兵協会の一室。協会の事務員と、バゼラードが、机を挟んで座っていた。
 黒いフォーマルに身を包んだ事務員は、中年の男性。実直さが周囲に雰囲気となって表れている様だ。
 バゼラードは、特徴的な銀髪のボサボサ頭を時折掻き上げつつ、面倒臭そうな表情を浮かべながら、口を開いた。
「…で、わざわざ奥まで招き入れた訳は?」
「バゼラード。実は、骨のある仕事が回って来てね。今、頼めるのは君くらいしかいない。」
 バゼラードは少し興味を惹かれた様子で体を乗り出し。
「へえ。…そんな事言われたら、黙って帰る訳には行かないな。聞かせてくれよ。」
 事務員は胸の前で手を組み合わせ、肘を机の上に置いた。
「…『スクラマサクス』という名前を聞いた事はあるかね?」
「タムラマサカズ?」
「スクラマサクスだ!」
「知ってるよ。『アンヘリエッタ』のお抱え騎士団だろう。常に白銀の甲冑に身を包み、白鳥の紋章の刻まれた剣を携える。主たる公女アンヘリエッタの為なら命も投げうつと言うオポンチ騎士団だ。」
「ふむ…流石は凄腕の傭兵だな。」
「お世辞はいいよ。で?そいつらがどうした。」
「実は、そのスクラマサクスが、とある村を襲撃しようとしているらしい。」
「公家のお抱え騎士団が?穏やかじゃないな。どうしてまた?」
「とある村…ルフェリア村というんだが、その村に『魔女』が住んでいるらしい。どうやら“魔女狩り”をするつもりのようだ。」
「魔女狩り?…おいおい、何考えてんだ?たかが50人そこらのポコチン騎士団が魔女に勝てるわけねえじゃん。魔女ってすげー魔力持ってんだぜ。今時魔女狩りなんてやる奴がいたなんてな。」
「まあ、魔女に勝てるかどうかは別にして、スクラマサクスは少なくとも村を焼き尽くすつもりらしいのだ。」
「なんでだよ!」
「おそらくは見せしめだろうが…」
「メリットが感じられねーな。そんな事した所で、魔女がブヂギレて、ケツの毛まで焼き尽くされるのがオチだと思うが。」
「詳しい事は魔女本人に聞くのが早いだろう。彼女は、騎士団が村を狙う理由を知っているそうだ。」
「…なんか出来過ぎた話だな~。絶対なんかあると思うな~。」
「だから君に頼んだんだよバゼラード。」
「……わかったよ。やるよ。どうせアレだろ、クライアントの名前とか、情報ソースとか…」
「こちらから言わない限りは秘密だ。と言うか規則だろう。知ってるだろう。」
「そうでした。…んじゃ、ルフェリア村に行けばいいんだな。」
「うむ。ツフォルン鉄道を使えばすぐだ。」
「はいはい。イテキマース」

 こうしてバゼラードはルフェリア村へ向かった。



  1. 2009/03/21(土) 23:25:24|
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Basilard

「あいつかい?…ああ。知ってる。
「戦場には3つのエースがいる。強さを求める奴、戦況を読める奴、プライドに生きる奴。
「あいつは…そうだな。
「強さを求めるわけでもなく。
「戦況はおろか空気すら読めず。
「プライドなんかカケラもない。
「そう、あいつ…バゼラード。人呼んで“月読のバゼラード”!」

 ズズヴヴン。
 ブダペストΩは完全に沈黙した。
「よわっ。」
 当たり前だ。ただのオタクが傭兵にかなうわけないのである。「おっ、もしかしてこいつただのオタクじゃないんじゃね?」と期待させておいて裏切る。それがオタクなのである。次回に引っ張ったからと言って、強いとは限らない。それが人生。
 バゼラードはなんかやる気を削がれたので、帰ってクソして寝た。

 次の日、バゼラードは『傭兵協会』に行った。
「仕事はあるか?」
「ちょいと面倒なのがあるけど…」
「男に二言はない!その依頼受けるぜ。」

 バゼラードは森の中に作られた秘密研究所にやって来た。
 中に入ると、いかにも悪の博士っぽい奴がいた。バゼラードは剣を抜いて叫んだ。
「お前、悪の博士だろう!」
 悪の博士は振り返ってニヤリと笑う。
「いかにも。私を迫害した王宮の奴らに復讐する。それが私の生きがいです。」
 ガション。研究所の奥から格好いいロボットが!
「か、格好いい!鉄臭さを残しながらも、流線と直線から成るフォルム!そして、真っ赤に光る8つのカメラ・アイ!メイン腕とサブ腕、計4本の腕!飾りとは言わせない、機動力溢れる脚!……こんな格好ロボットをどうするつもりだ博士!」
「ロボットが出てこなければ、漫画など読む気がしない!ロボットアニメでなければ見ない!陳腐な人間同士の戦いなどクソ!とにかくロボット!ロボット!ロボットだ!」
「博士……そんなにロボットが好きなのか。」
「そうだ私はロボットが好きだ。とにかく、二次創作物にはロボットが必要だと考えている。ロボットの出てこない物語などクソ!とにかくロボットがぶつかり合う!これぞ男のロマン!」
「博士……ロボットものは難しいんだ。まずデザインが悪いと受けない。メカデザインが出来ない人間には厳しいんだ。さらに…」
「煩い煩い煩い!言い訳など聞きたくない!とにかくロボット!ロボットを出せ!……バゼラード君。どうだね?私の作った、この『ツヴォルフ・ツヴァイツェン』に乗って、ゲリベオン軍と戦う気はないかね?」
「なんだゲリべオン軍て。」
「元はべオン軍という奴らがいてだな…」
「ジオン軍のパクリじゃねーか!第一、ゲリベオンとか、下痢便みたいでやだ!博士、ロボットもの以外にも、面白い話はたくさんあるんだ!」
「うるせーばか!死ねー」
 ドカーン。ツヴォルフ・ツヴァイツェンは爆発した。
「なぜだー」
「博士。最後に勝つのはロボットじゃない…人間の性能だ!」
「ふふふ…まだだよバゼラード君。奥の手『レイヴン・ケーニヒ』がある!」
 真っ黒にカラーリングされた、これまた格好いいロボットが姿を現した。
「殺したれ!鴉の王、ケーニヒス・レイヴン!」
 ケーニヒス・レイヴンは、右腕の35mmバルカンを発射した。
 背中の羽根状のパーツが広がり、そこからレーザーが放たれる。
 さらに、左手のブレードを凪ぎ払い、地面に巨大な傷を刻み込んだ。
 バゼラードは避けるので精一杯だ。
「なんて武装だ…」
「ははははは!どうしたバゼラード!人間の性能とやらを見せてみろ!」
「くそっ。こう弾幕が厚くちゃ近付けない…!」
「ははははは!次回からこの物語のタイトルは、『フッケバイン・イェーガー』となるのだ!“凶鳥の狩人”という意味だ!格好いいだろ!お前の出番は終わ」
 ゴシッン、という鈍い音が響いた。
 35mmバルカンの空薬莢が、博士の頭部を直撃したのだ。
 博士はその場に崩れ落ちた。そして、二度と起き上がる事はなかった。
 ケーニヒス・レイヴンは機能を停止した。それと連動するように、研究所の全機能も停止した。
 任務達成。バゼラードは帰ってクソして寝た。

つづく



  1. 2009/03/20(金) 20:07:42|
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Basilard

「…え?ああ、アイツかい?知ってるとも。この界隈じゃあ、アイツの名を知らないヤツなんていないさ。
「凄腕の傭兵。対峙した者は、自分が切り刻まれる姿を想像しちまうっていう。
「全く、悪い冗談だぜ。剣一本でこの地獄を渡り歩いてるってんだからな。
「アイツの名かい?
「バゼラード。
「人呼んで“刹那のバゼラード”!」

 クォルス暦224年。

 ツフォルンエンペラス領は戦乱の直中に有った。血で血を洗う争いが続き、領民は疲弊し切っていた。
 領内、カサルナバスの街。
 銀髪、冷たい目、黒いマントに身を包んだ男が歩いていた。
 彼こそが凄腕傭兵バゼラードだった。
 バゼラードにチンピラが絡んだ。
「ヒヒヒ。金をよこせ。」
 バゼラードは剣を抜いた。
「うぎゃっ」
 チンピラはしんだ。
 バゼラードは、『傭兵協会』に行った。「いらっしゃい。いい仕事があるよ。」
 バゼラードは仕事を受けた。

 クライアントの家に行くと、家の中はフィギュアだらけだった。
「ブフォ!仕事を頼みたい。『ヴォーカロイド・モツ煮ミグ21』のフィギュアを買って来て欲しいブフォ!」
「…自分で行け!この怪人肉布団!」
「ブフォ!食べ過ぎで動けないブフォ!」「仕方ないな。報酬は用意しておけ。」
「ブフォ恩に着るブフォ!」

 バゼラードは、電脳都市バハラ・キアに行った。
 女装とフィギュアの専門店『ケツのあな』に入った。
 中から異臭がする!
(…C魔法が使われた痕跡がある。)
 ちなみにC魔法のCとはChemicalの略で、化学魔法の事を指す。化学魔法には主に、神経魔法《タブン、サリン、ソマン、粘性ソマン、G剤》、糜爛(びらん)魔法《精製マスタード、窒素マスタード、ルイサイト、ホスゲンオキシム》、血液魔法《青酸、塩化シアン》、窒息魔法《ホスゲン、ジホスゲン》に分類される。条約で禁止されている。
(ここには高位のソーサラーが居るようだな…)
 バゼラードは傭兵の勘に従って剣を抜いた!そして叫んだ!
「出てこい!アンドロ軍団の鉄クズどもめ!居るのはわかっているぞ!」
 中にいた“無色透明キモヲタク”(モンスターの一種)の中から、1人の青年が前に出た。
 青年はガリガリに痩せ、眼鏡を掛け、背中にリュックサックを背負っていた。
「フフフ…流石は凄腕傭兵バゼラード。私の正体をかくもアッサリと見破るとはな…」
「出たな…賞金首『雪国もやし』!」
「行くぞバゼラード!」
 雪国もやしは、背中のリュックサックから一本の剣を抜いた。
 いや、それは剣と呼ぶには余りにも拙過ぎた。
 それは正に、“ポスター”だった。
 バゼラードは言った。
「その『限定版・篠宮パルヒェッタ等身大ポスター』に命を賭けると言うのか?」
「フッ…」
「…覚悟は出来ているようだな。始めようか。」
「勘違いするなよバゼラード。戦いはもう始まっている。」
「何ッ!?」
「重要なのは始め方ではない。終わらせ方だッ!」
 雪国もやしの身体が宙に浮いた。
 空中で両膝を畳み込む。両手を前に出す。
「アッー!あの構えは…」
 そのままフワリと地面に降りる。
 その間実に3.0秒。

 勝負はついた。

 ―見事なまでの『土下座』だった。

「パルヒたんポスターで勘弁して下さい!」
「……。」
 バゼラードは、依頼の品『ヴォーカロイド・モツ煮ミグ21』のフィギュアを買って帰った。
 帰りの電車の中で、ニヤニヤしながら……。

 クライアントの家に戻った。
「約束の品だ。」
「ブフォオオオウ!感謝するブフォ!」
 パッケージを開封するクライアント。その手が……止まった。
「こ、これは…」
「……。」
「ミグたんでは……ない……」
 ドガン!
 クライアントは床を踏みしめた。
「これは……『淫乱系ぱんつロイド・玉椿スホーイSu-27』ではないか……!」
 ガシャアン!
 クライアントはチャブダイをひっくり返した。
「貴様ァ……任務失敗ですぞ……」
 烈火のクライアントなどどこ吹く風。バゼラードはハナクソをほじりながら答える。
「普段フィギュアなんか買わないからわかんねーよ。」
「わかんねーよでは無く!パッケージを見たまえパッケージを!これだけデカデカと書いてあるでしょうが!貴様の眼球はウズラの卵なんでスか!?」
「……せえよ。」
「はいィ!?」
 バゼラードは剣を抜いた。
バ「うるせえっつってんだよ!レジに女の子が立っていたんだよ!恥ずかしくて買えなかったんだよ!」
【らっせーらーらっせーら】
 ハイ!クライアントブヂ切れ。
ク「ハアァ!?今更レジに女の子とかウケるんですけどw……いいか若造〈ボーイ〉、フィギュアを買う時はな、例えレジに母ちゃんが居ようと、パッケージの表側を見えるようにカウンターに置く位の覚悟が必要なんだよ!」
【らっせーらーらっせーら】
バ「うはw恥ずかしいんでスけどwお前の存在が!フィギュアの何がいいの?人形のパンツなんか見て楽しいですか……?」
【らっせーらーらっせーら】
ク「黙れ小僧!フィギュアの良さが貴様にわかるか!お前にson〈“息子”の意〉を救えるか!」
【らっせーらーらっせーら】
バ「うるせえ肉厚獣!」
【らっせーらーらっせーら】
ク「黙れペドフィリア!」
【らっせーらっせーらっせーらっせー】
バ・ク「交渉決裂だ!」
【らっせーらっせーらっせーら!】

【ヴぃにょーん ヴぃにょーん】
W A R N I N G
〈警 告〉
A huge ENEMY is approaching fast.
〈巨大な敵が急速接近中〉
Contact your target and DESTROY!
〈接敵、撃滅せよ〉
ENEMY called『最醜肉塊化生命体・ブダペストΩ』
〈敵を~と呼称する〉
Are you ready?
〈おにいちゃん、じゅんびいい?〉
Let's ROCK!
〈おにいちゃん、だ~いすきっ☆〉

バゼラード「行くぞ!」
 バゼラードは、(ブラックラグーンのレヴィとロックは早くヤっちゃえばいいのに)と思いながら、眼前の敵に向かって行った。

つづく。



  1. 2009/03/09(月) 13:34:36|
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負け犬の言い訳

ぺけ「久し振りに呼び出されたワケですが。なんなの。死ぬの。」
KD「いやあ、ロボットものを文章にするって難しいですね。どうしても情報量が増えてしまって。1話あたりの文章量が凄い事に。更に更に、複数機体の戦闘ともなると、それぞれの場面を記述せねばならないので…」
ぺけ「言い訳の相手をする為だけに呼ばれたのね私は。」
KD「しかも設定資料を実家に置いてきてしまいまして。」
ぺけ「なぜそうなるの?フラッシュメモリに保存してたじゃない。コピーすればいいのに。データは消えないのよ。」
KD「コピーではなく“切り取り”をしてしまいまして。故にフラッシュメモリ内には残っていないのですよ。」
ぺけ「バカだよねえええ」
KD「すいませんすいません。今度実家帰ったら取ってきます。」
ぺけ「当然。…でも、資料なんか無くたって書けるのではなくて?」
KD「書けない事はないが…何分、件の設定資料の情報量というのが非常に有益でね。モチベーションにも繋がる程なんだ。」
ぺけ「つまり、資料がない限り書く気はないと?」
KD「折角、立派な設定資料があるのだから、それを活かそうと思うのは自然だろう?記憶に辿って書いても、モチベーションの維持が難しくて。」
ぺけ「端切に言えば、しばらく待って欲しいってワケね。」
KD「そうなる。代わりと言っちゃなんだが、レッツゲットセットリバイブを書くよ。」
ぺけ「これは何?単にバトルものがやりたいだけ?」
KD「中二病だろ?」
ぺけ「成る程、作者自体が中二病ってワケね…」
KD「駄目なんだ。小説を書くには、心の余裕が必要でね。仕事モードの脳髄状態じゃ、ちっともイメージが広がりゃしない。」
ぺけ「単に面倒臭がりなだけでしょう。」
KD「否、やはり“こだわり”というものがあってね。推敲してみると、全然駄目だと思う。そしてアップロードを躊躇うんだ。2話も、途中までは出来ているんだがね。」
ぺけ「全く…言い訳を文章にさせたら一級品だと思うわ。はっきり言って不名誉と知りなさい?」
KD「名誉など、生に意味を見いだせない人間が作り上げた虚構だろう?そんなものは“おまけ”に過ぎないさ。」
ぺけ「それでも人間は名誉に縋るのよ?滑稽でしょう?」
KD「話がずれたな。…兎に角、下手をすれば次の展開は1カ月、その程度先になるかも知れない。長期戦は覚悟して貰いたいね。」
ぺけ「あら。何様かしら。さも『私の小説は期待に値する』とでも暗に言っている様ね?」
KD「そうでもないさ。気長に待って欲しいと言いたいだけでね。含みなど有りはしない。受け取り方の問題さ。」
ぺけ「どうかしらね。また途中で投げ出すような事にならなければいいけど?」
KD「今度こそは、と思っているよ。」
ぺけ「今度こそは、何て言って、同じ過ちを繰り返すのが人間じゃなくて?」
KD「ハン。そもそも、人間の歴史なんてものは、単に過ちを連ねた記録に過ぎないよ。昔から何一つ学んじゃいないのさ。間違いだけを延々と纏めたノート。それが歴史って奴なんだ。」
ぺけ「ニヒリストなのね。…まあいいわ。システム稼働の準備はOK。モジュールの励起も順調よ。」
KD「まさか因果律まで干渉するとはな。FUNERALの連中も余程血眼と見える。“シュレーディンガーワイアー”因果断絶の準備は整ったって寸法だ。」
ぺけ「本営の指示には、何一つ正解なんて有りはしないのだけれど。“プロメテウスの炎”発動は近いわ。」
KD「まさか“エルドリッジ”の二の舞にはなるまい?合衆国を敵に回す事になるぞ。」
ぺけ「さあ、ね?BEASTの計算じゃあ、未来予知だって不可能ではなくってよ。」
KD「“神体”大皇桜か…この国はまだあんなものに頼っているんだな。」
ぺけ「え?」
KD「何でもない。それより、“ゆりかもめ”地下階層に到着だ。鬼が出るか蛇が出るか、だな。」
ぺけ「少なくとも蛇は御免ね。私は蛇が苦手なの。」

つづく?



  1. 2009/03/02(月) 00:39:57|
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レッツ・ゲットセット・リバイブ

第弐話『残念ながら無かった事に』

 あたしの名前は鷺原美乃《サギハラミノ》。16歳。女子高校生ってタイクツだよね。そう思わない?
 タイクツ過ぎて死にたい。
 嘘。
 あたしにはすごい“チカラ”がある。何でも書き換えられる。何でも“有る事”にできるし、“無かった事”にできる。
 ぶっちゃけ、最強なんだよね。
 でもタイクツなんだ。最強だから?ま。トップを走る人は孤独だって言うし。
 ま。いーんだけどね。
 あたしは電車に乗った。
 そしたら、なんか冴えないリーマンみたいな人がジロジロ見てくるワケ。キモッ。ちょっと不愉快。
 チカラを使ってやる。
 貴方の存在、無かった事にしてあげる。

 丸木戸は瞬時に“境界線”を引いた。
 車内を切り取り、フィールドを形成。丸木戸と鷺原の2人は、他者からの絶対客観空間に存在した。
「へ~…おじさんも“チカラ”を持ってるんだ。」
「そうですよ。そして、私の仕事は、」
 丸木戸は不敵に微笑み。
「あなたのようなイレギュラーを抹消登録する事です。」
 鷺原美乃、大爆笑。
「あはははは!チョーウケるんですけど!殺れるもんなら殺ってみなよ!」

You contacted IRREGULAR, Just now.

さぎはらみの
鷺原  美乃
MINO SAGIHARA
【確率干渉】
『R.A.M.』

其の闘いに於いては
【逃走】と【引き分け】は
存 在 し な い
勝利者は生き
敗北者は死ぬ
実に単純明快にして
闘いのアーキタイプ
されど勝利者は敗北者に尊厳を
死者に弔いを忘れず

言い替えれば其れは
《Funeral》
葬 儀 で あ っ た

FUNERAL is start.

Let's get set SURVIVE.

 場の流れが歪み。丸木戸の確率が変化。間一髪。紙一重。変化の振幅を振り切りかわす。
 丸木戸の右腕が無かった事に。
「あははははッ!腕。無くなったね!」
 出血など無く。有る訳も無く。其れは切断では無く。消滅?否。無かった事に。当初から丸木戸に右腕など無かったので。
「腕だけ?どんだけ?かわすのもギリギリ。今度こそ全身くまなく。跡形無く、『無かった事に』!」
 確率が歪む。人為的に確率に干渉すると、何かが焦げ付いた匂いが発生するという事を、丸木戸は知った。
 そして彼は陥る。
 確率0の領域に捕らわれた。
 丸木戸など、いなかった事に。
「最早貴方に、“さよなら”も意味がないよね。」
 なる訳が無く。
「ほう。面白い力だが。神である僕に敵う訳がないよな。勝とうなんて、浅はか過ぎる。」
「!?」
「中二病人が力を得。思うがままに振る舞い。」
 鷺原の周囲の確率が…
「確率が…何?な、な、なに。なに?なんなの!?」
「そんな事が“流れ”として許される筈が無い。」

【確率絶対零℃】

「い、いや。たたしが、た、たし、消える、きえ、き、ききき、消…」

 !

 〇〇〇〇と言う存在は、未来永劫、どれほど過去に遡っても、見つける事はできなくなった。

 丸木戸は電車に乗っていた。
 何事もない、平和な日であった。
 ただ、丸木戸だけが、可哀相な少女の事だけを覚えているだけだっただけ。

》続くだけ《



  1. 2009/03/01(日) 17:41:05|
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